長野の住基ネットに関するセキュリティー監査を務めた Ejovi Nuwere (イジョヴィ・ヌーワー)氏の証人尋問における原告陳述書です。
「Ejovi Nuwere (イジョビ・ヌーワー)氏の原告最終準備書面」には、こうあります。

2 事件の概要
 本件の事実関係を簡単に説明する。
本件セミナーの共同主催者を構成する関係者たちは、原告の講演内容(長野県における侵入実験に関わったセキュリティ専門家の体験談)がふだんの講演とはかなり趣を異にし、参加者の注目を浴びる面白い内容になると考え、原告が発表者になることを承諾し、これを実行するつもりだった。
ところが、本件セミナーの後援名義使用承認後に、総務省は原告の発表内容が長野県における侵入実験に関するものであることを主催者以外からの情報として知り(甲3)、急遽、主催者であるSIDCの関係者を総務省に呼び出し、事前に原告の発表内容を総務省に告げなかったことを非難した。
原告の発表する内容は、どのような内容であるにせよ、コンピュータ専門家として住基ネットの構造や管理運用状況に問題があることを指摘することにならざるを得ない。住基ネットの安全性を強調し続けている総務省にしてみれば、総務省が後援するセミナーでこのような発表をされることは、何としても避けたいことであった。いわば、SIDCに騙されて後援者になったのも同然であるから、後援を取り消すということも当然視野に入って来る。
他方、原告は、総務省とSIDCの間の上記のような事情は知らない。原告にしてみれば、限られた時間の中で、コンピュータセキュリティの専門家として、守秘義務に反しない範囲内で、自分の体験を話すつもりでいた。事前に長野県の意向を確認し、その了解を得ていただけに、発表を中止しなければならない内容は何もないと認識していた。それが、総務省が介入してきたことで、発表ができなくなった。

このたびこの、彼が原告となって提訴した「住基ネット侵入実験講演中止に関わる国への損害請求」が棄却されました。
以下、私見から一歩も出ないレベルの話です。
国は明らかに住基ネットの問題点を隠そうとしています。
今回の棄却は、主催者側の一連の行動があまりにお粗末だったので、トカゲのしっぽ斬りのように、「主催者の責任であり、総務省の直接の責によるものではない」という判断によるものなのでしょう。
さて、セキュリティーは、私を含めたITsolutionを生業にしているものにとって、クライアントの責任者との間でいつもやっかいで、同時に重要なことですが、セキュリティー監査それ自体を生業としているprofessionalもまた、我々と同様のやりきれなさを感じているのだと知りました。
日本官僚それ自体が悪いのでは決してないと思います。
ただ、彼らは、自分以外を信じません。
自分以外を、バカだと思っています。
バカでない人たちもいるのだろうけれど、それは、バカとの比率で言えば取るに足らないものであり、バカ用のメソッドを全てとしてしまうことを妨げる理由には足らないと思っています。
同じ人と人として、その人が持つ考えや、その人が持つプロフェッショナリズムに対する尊敬など、これっぽっちも感じられません。
フェアーではありません。
理論的ではありません。
あえて言うなら、メソッド至上主義なのかもしれません。
しかしそのメソッドも、「今までそれで動いてきたから」という理由のみが背景なのでしょう。
問題が、表立たなければ、その問題は存在しなかったことにされてしまうのです。
これらは、各企業の中にも存在する問題であることはあきらかです。
専門家でない方々もこの原告陳述書を隅から隅までお読みになって下さい。
あなたが置かれている日本的な環境の問題点をこれほど上手に浮き彫り
にしている文章はありません。

“住基ネットに対する最も大きいリスクはハッカーではありません。それは、総務省です。それは、政府の説明責任を否定しようと努力する弁護士の軍団です。それは、行動で問題に対処することよりも、一般国民の意見の相違を抑制することの方が良いと感じる総務省の職員です。”

MetaNotes: Ejovi Nuwere (イジョヴィ・ヌーワー)氏の3月14日証人尋問 原告陳述書

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