松本人志とわかりにくい映画『さや侍』(ネタバレ極力なし)

『さや侍』を観た。

松本人志監督の最新作である。
松本人志は、自らを天才と名乗る。
その行為は、とくに日本人の気質にはそぐわない。

彼の作る笑いは、その多くがアドリブである。
お題をひとつ決めて、やりとりしていく中に、他の誰にも置けない位置に、思いも付かない至極のピースをバシバシと置く。
天才はひらめきとセットで語られる。
たしかに「ひらめく」のだろうと思う。

松本人志は、「笑いの理屈」を解明し説明可能にしたいと思い続けているらしい。
かつて、故 桂枝雀が「緊張と緩和」というヒントを呈して以来、そのことを考え続けているのだと言う。

「ひらめき」と「理屈」は相反するように聞こえる。
彼は、再現性のある「理屈」として「笑い」を留め置きたいのだと思う。
もしかしてそれは、「笑いに値しない薄っぺらな戯れ言が笑いと認められていること」に対する猛烈な怒りなのかもしれない。 Read More